PLCがダメな理由をヨボヨボと考えてみる
PLCがダメな理由
PLCがダメな理由をヨボヨボと考えてみる
いわゆる文系の人にもすこしはわかりやすいように説明してみる(努力をしてみる)
- 電線に交流の電気を流すと
- 大なり小なりの電波が電線から出てゆきます
- 一般のコンセントに来ている50Hz/60Hzでも
- 波長はものすごくながいので、アンテナとしての効率は悪いので少しですが電波として漏れていっています。幸いそんな周波数では無線通信が行われていません。
- 周波数が高くなると
- 波長も短くなるので、電線が短くても効果的にアンテナの代わりになり電波として飛び出しやすくなります
- 送り出す電力が大きければ
- その分飛び出してゆく度合いも大きくなります
- 高速PLCでは
- 無線通信などで使用されている短波と呼ばれる周波数の信号を家の中に張り巡らされている電線に混ぜることで通信をしようとするものです
- 一般家屋の壁や屋根裏に敷設されている電線は
- 電力を送るためのものなので、そこから電波となって漏れで行かないような工夫はされていません
- 大なり小なり漏れていってしまうことが明白だから
- 無線設備などに影響がないように小さな力で電線に信号を混ぜなければなりません
- 小さな信号だと
- 一般家電製品とか周囲の無線通信の電波などからの影響を受けやすくなるので、通信速度が低下したり、通信が出来なくなることがあります。
- だからといって信号を強くすると
- 無線通信や放送などに影響を及ぼすだけではなく、そのような信号が混入したようなところから電力を取り入れることを考慮していない過去から現在にわたる家電製品等にどんな影響が出るか誰にもわかりません。在宅で医療機器などを使用している場合健康や生命にかかわるかもしれません。
- 高速PLCとしては
- まず最初は、PLCモデムという形で箱型の変換装置を(最低2台ひと組で)使って通信します。これらの装置はお店で買ってきてつなげばいい…ようにできるように、それぞれの製品について認可が降りるのを待っている状態です。
自分の立場
これは明らかにしておかなければいけませんね。
たしかに自分は、短波帯での免許も持っているアマチュア無線家の一人です。また、急に寝返った裏切り者のJARLの正会員でもあります。なので基本的には高速PLC(2~30MHzの短波帯を使用したもの)の導入には反対の立場です。
その立場で技術的にどーのこーの、コモンモード電流がどーのこーの言った所で自分が完全に詳細に理解できていない(はずだし)事柄を書いても、たぶんこれを目にするであろう(技術などに明るくない)ふつう人が理解できるとは思えません。
そこで、平易に自分で理解できている範囲の事柄で「PLC推進側が語ろうとしないダメなところ」、「素に考えて先行きが暗いこと」、「これじゃ普及しないと思われること…」などなどを思いつくままに書いてみようという試みです。
噛み合わない論議
とにかく推進側として制定しようとしているPLC-Jや研究開発に金を投じてしまった機材などの製造メーカーと、反対の立場をとるいろいろな組織団体個人との論議は少しも噛み合っていません。
PLCに関する検討をしている団体や推進側企業が拠り所にしている「そんなに雑音が増えたりすることはありませんよ」という研究結果に対して、 複数の大学などでの研究結果などからそれが「その(拠り所にしている)論理そのものが間違っている」と指摘されているのに、微塵も再検討する気がないのです。
パブリックコメント(「高速電力線搬送通信と無線利用との共存について(案)」に対して提出された意見の概要及びそれに対する研究会の見解(pdf)」)などでも、
「おかしい」と指摘されているのに自分たちが拠り所にしている調査結果のみが正しく、それで間違いないと決め付けています。
いくつものパブリリックコメントを自分たちの都合の良いように「ほか何名」などでくくった上にさらに複数の項目に対してまとめて「既定どおり」と回答して、微塵も疑問に答えていない有様には驚くばかりです。*1
そもそもその「既定」に疑問を投げかけられていることがわからないのです。
さらには推進側の意見には「賛同いただきありがとうございます」ってびっくりな回答が。
賛同に対して感謝するって事は反対意見の存在は「感謝されない」、「ありがたくない」、いわゆる「迷惑だ」といっていることに他なりません。
パブリックコメントとして広く意見を求めるという立場であれば、どちらの意見もありがたくなければオカシイのです。
そうじゃないということは、はなから「やらせ」「出来レース」ではありませんか。
せいぜい「パブリックコメントを受け付けて話を聞きました」という既成事実をつくるために実施したものと受け取られても仕方ありません。
意見を聞いて疑問に答えて(応えて)指摘されたところをきちんと再度詳細に調査しなおさないのであれば「ポーズだけのパブコメ」を税金使って(?)無駄をやったことに他なりません。
なぜ、そうまでして「非常識」とまで言われるような「トンデモ理論」をごり押ししなければならないのでしょうか?
はなはだ疑問に思う次第です。
地方へのインターネットの普及に役立つ…と思われている誤解
たしかに、高速PLCはe-JAPAN構想に無理やり滑り込んだ代物ですが…
PLCは家庭内での配線の部分を担当目的でのGOサインですから、ナニをどうやってもインターネットを使うためにはブロードバンド回線を何らかの方法(光なりADSLなり)で家まで引いてこなければならないのです。その部分は推進側が夢物語を宣伝して歩く際にはあまり語ろうとしません。
実際には地方や山間部などはブロードバンド回線を引くこと自体が出来ないという地域が沢山あるのです。そんな場所でPLCを使う用途ってどれぐらいあるのでしょうか?
- 情報家電同士の相互通信ですか?
- ホームサーバーから各部屋へのリッチコンテンツ(ハイビジョン動画とか… )の配信でしょうか?
- (ブロードバンドが来ていないのですから)インターネットへの接続というのはありえませんものね。
余談:自分の田舎でさえ、 少し前まで実家の電話番号を入力してサービスの可否を調べようとすると、結果さえ出てこない有様でした。 もっとも局舎からの線路長が4000m近くなっているのでADSLでは速度が出なくともリンクして500kbps程度でも速度が出ればラッキーだと思います。
接続が簡単だという誤解
幸いにもブロードバンド回線が引ける地域に住んでいるとしましょう。
家屋の分電盤付近で屋外との接続部分を設けることになります。
この部分でさえ「コンセントに差し込めば…」と宣伝していますが、なにもせずにつなぐと家の外の柱上トランス付近までは自分の家からの信号が流れ出てしまいます。
本来屋内に限り使用できるという条件の下認可が下ろされようとしているのですから、野外の空中電線にそれらの信号は流れるのはまずいのです。そうしないためには、家の内側と外側との間に防護フィルタを挿入しなければなりません。
この部分は素人が日曜大工の延長でこそこそっと勝手にやってしまうような規模ではありません。どうがんばっても電気工事業者にその作業(電気工事)を実施してもらわなければなりません。当然工事費やフィルタの代金などが余計にかかります。それとも、そんな工事は要らないとでも言うのでしょうか?
- 参考
- TDKが開設している「なるほどノイズ入門2」というページがあり、その第7回がPLC(電力線通信)のEMC(ノイズなどで正常に動かなくなることへの対抗。)対策です
http://www.tdk.co.jp/techmag/emc2/200610/index.htm
現状では外付けのPLC装置しか発売される目処が立っていません
ブロードバンド回線との接続点に1台必要なのは素人考えでもわかります。
そして、 情報家電やインターネットを使いたい場所にもう1台必要になるということも非常に理解しやすい話です。
将来PLCが順調に普及すれば、きっとPLC装置が内蔵された情報家電やPCなどが発売されるのでしょうが、それまでの間は外付けのPLC装置を使うしかありません。
使用したい部屋が複数になったとしたら、1台2万円だとか1万円だとかいう装置を買い足してゆかなければなりません。また、使う機材同士をペアリングさせるなどの必要がある製品がありますが、同一グループであることを簡単に設定できることを売りにしている機材でも2台の間の関連付けならボタンを同時に押すなどで登録できるものの、3台目以降となると操作がかなり面倒であるというレポートが上がっています。
200Mbpsは誇大広告?
理論値*2での数字による広告は、無線LANでの数字競争の際に公正取引委員会から「実際には出もしない理論値を掲げることは、優良であると顧客に錯誤させることに他ならないので不当広告である」と注意されたはずです。開発技術者のぶっちゃけたコメントではPLCが認可される予定の基準で一般家庭に持ち込んだ場合速度は10Mbps出るかどうか…だそうな。
メーカーが異なると通信できない
現在無線LANのwifiテスト合格品のような相互接続保証というものはありません。各社が独自の方式を採用しているので、あとから買い足した他社のPLC装置では通信できないのです。たとえ使っている部品が同じな同じ方式のものであっても会社が違えば相互登録が出来ない見込みです。
ということはすなわち、 PLC装置内蔵の情報家電が発売になった際には希望する情報家電製品の製造メーカーとPLC装置とが同じに合っていなければならないのです。
もし、将来統一規格が出来た際には「旧規格の製品」となってしまいますね。
家屋の中でコンセントによって通信が出来ない
電柱から素の100Vを2本の電線で引いてくるケースよりも、 3本の線で200Vで引いてきて家の中を100Vの2系統で配電しているのが増えてきているそうです。
壁の中の100Vの電線を使って通信するわけですから、その系統をまたぐ形でのPLCでの通信は出来ません。 PLCのために系統の振りなおしとか事前調査などをしてもらわなければならないということになります。
家の中でほかの家電製品が動いていると速度が落ちる
最悪、通信できなくなることが報告されています。
ドライヤーや掃除機などのモーター系の家電製品だったり、携帯電話の充電器やノートパソコンの電源アダプタからもノイズが出てしまうことがあるという報告が出ています。
さらには、便利に使われているテーブルタップや延長ケーブルによる分岐などが増えると全体に影響が出てきますし、電源スイッチつきのテーブルタップや中間スイッチなどは、電線の平衡性を崩してしまうために漏れが増えたり、速度が低下する、最悪通信が出来なくなるといわれています。
スイッチつきのテーブルタップなどでは、片側だけを切り離す構造になっていたりするので、OFFの時には電線の長さが不均等になります。そのような場所が家の中にあるだけでも速度に影響が出るし、漏れを防ぐには不利な状況になります。(家屋の伝統などのスッチはOFFの時には両側を切り離すような配線にしてあります。片側は地面にアースされているので、アースされていない片方に触れただけでも感電する危険があるのです。なので両側を切り離すのが本来のスイッチの設け方です)
同時に複数の通信を通すことは出来ない
通常LANと呼ばれるイーサネットでは、分岐点にはスイッチングハブという装置が用いられています。この装置の役目のひとつには「不必要なところにはデータを流さない」という機能を持っています。 *3
一方PLCの信号を流す電線はあくまでも電力を届けるためのものですから、そんな関門がついているわけありません。
そうなると、装置A-装置B(たとえば、居間のビデオサーバーの映画を自分の部屋の部屋で見る)の間で通信をする場合、家中の(通信することが可能な)コンセントのすべてにその信号が届いてしまいます。
同じ時間に、装置C-装置D(たとえば、別の部屋のパソコンでインターネット接続する)間で通信をしようとすると、 A-BとC-Dの信号が混ざってしまっては困るので、時間で分割で通信するしかありません。 (いくらなんでも連続して何分も独占してデータを流し続けるような気の狂った仕様になっているわけないですよね。それだって個人的な予想ですが。 )
すなわち、1本の経路を2組でぶつからないように使うと、単位時間当たりに通過できる荷物は半分になってしまうのは想像できるはずです。イーサネットでも共通の経路を2組で使用するならば同じことが起きますが、PLCの場合は常に共用と同じことなのです。
さらに効率が低下する要因
イーサネットでは、送受信を別の線を利用しているので送信と受信を同時に行うことが出来ます。*44本ですから、行きと帰り、すなわち送受信が同時に出来ます。Plugin not found.同時に送受信できるということは、通信中に随時エラー訂正の情報とか、受け取り側の処理が間に合わないのでちょっと待ってくれ!などの情報を随時流すことが出来ます。
一方PLCでは既出のとおり2本の線しかありませんので、エラー訂正などのための信号も他の通信が行われていないタイミングで行わなければなりません。
そもそも複数の機材でデータの転送能力を分け合わなければならない上に、一人で使っている時でもエラー訂正のために送信と受信を繰り返さなければなりません。送信と受信の切り替えも0秒では出来ませんので、小さな時間の積み重ねが膨大な蓄積となってデータ転送効率を低下させてゆくことになります。
私が恐れるいくつかの事項
今回認可が予定されているPLCの場合、ノイズレベルを抑える目的で適正な値(上限が決めてある)に設定された上で、屋内で使用される。
というのが前提です。
しかしそれらが崩れた場合の対処について何も明確にされていないのです。
- 野外で使うことはできません。
- 母屋と離れの間に敷設された私設の電線にPLCの信号を流すようなことはしてはいけない
また、速度を出すために改造する(内部をあけて調整するなど)ことも許されてはなりません。速度を出すためにはPLC装置からの信号レベルを上げることに他なりません。
しかし、売れ行きが悪いとパーソナル無線のように違法改造して「速い!」などと称してそのまま使うことが出来ないものを販売する連中が必ず出ます。
パロマ事件でもお客から「満足に使えないじゃないか!」と販売店に文句が行くと、違法を承知で改造するなんてことがおこります。
販売使用に当たってもどこの誰かもわからない人が法的規制などもまったく無知なまま、無造作に持ち帰って設置するわけです。下手をすれば違法改造品が一人歩きで流通し手から手へと流れてゆくともう追跡さえ出来なくなるのです。
既存の電化製品はPLCからの信号による障害について、 考慮されているとは言えない恐ろしい側面もあります。だってまだ存在していないのですから、考慮するにも限界があります。
PLCで夢の生活!のような説明の中には、病院に導入して入院患者へのサービスとか院内通信に利用できるようなことが書かれている代物を見たことがあります。空間を飛んでくる微弱なPHSの電波でさえ「使用禁止区画」が存在するような医療機関で、コンセントのように直結しているところから流れ込むPLC信号に対しての耐性は十分に検証がなされているとは到底言えないのが現状です。入院患者が持ち込んだらどうなるのでしょう?
在宅医療というものもあります。
ようするに、医療機関ではない自宅などで医療器械を用いているケースも少なくありません。しかし、田舎ならまだしも都会の特に新興住宅地などでは、隣に住む人が誰かさえわからないのが現状です。
自宅の外や近隣まで漏れ出すことをパナソニックコミュニケーションズの担当者は否定しないのに、ブロックフィルタは要らないと言っています。
それらの在宅医療器械はいろいろ検討されていることとは思いますが、いままで存在しなかったPLC機材から受ける影響などは未知数です。
「これから我が家ではPLC装置を使います。電波障害や機材の誤動作などがあった場合には至急連絡してください。」ってチラシを入れて歩くんでしょうか?少なくとも「店頭でホイと買ってきて、適当にエイヤ!とつないで使えます」というノリで売ろうとしています。
おまけに、周りへ影響が出た場合、使用の差し止めがあり得ることとか、周りからの影響で十分な性能が出ないとかそもそも通信が出来ない場合でも保護の対象にならないとか、家の中専用で屋外では使ってはいけないなどなど事前にしっかり教育するんでしょうか?
(そんなことやらないだろうねぇ。)
個人的には「問題がなければ便利かもしれない」と思っていました。
しかし、問題(発生するノイズ云々)以前に技術としてすでに5周遅れぐらいでようやくピットスタートするような、速度が出ない上に散々にらまれているものを無理を通して道理を曲げてまで市場に出すというのは信じられません。
有線LAN(イーサネット)ならば、ギガビットなどの1000Mbps(もちろんこれだって理論値だけど)に突入していますし、高速無線LANでも実効値30Mbps以上出たりしています。何をいまさらな感は否めません。
研究開発費などを投じた企業などは、意地でも費用回収したいのでしょうが、 「実際に普及してから問題点などを洗い出してより良いものに…」と悠長なことを言っているメーカーさえあります。 最悪人死にが出る恐れさえあるのですが、それが社会的責任としてのコンプライアンスを掲げる企業のやることなのでしょうか。
「商品」としての魅力や将来性
故意に隠蔽しているとしか言いようがない状況ですが、その語られない不利益なことのいくつかを書き並べてみたつもりですがいかがでしょうか。
- あなたはこの商品をあなたは欲しいと思いますか?
- あなたはこの商品に将来性を感じますか?
重ねて書きます。
たしかに、あらたにデータ通信線を敷設するなどすることなく、なんらかのデータ通信を行うことはできそうです。
しかし、語られるような夢物語がほんとうに夢になりそうなこの状態で普及すると思えますか?
代替手段もいろいろそろっているのです。
嘘で塗り固めて無理やり認めさせたような代物をそのまま野放しにすることはまずい…と有志が差し止めの訴訟を起こしているところです。
代替手段のある今の日本において、その代替手段とくらべて性能的にも劣る上に、命綱としての船舶無線や航空無線などに悪影響を与えるような代物は認められてはいけないと思っています。
*1 マジメに仕事しろ!PLCパブリックコメントの官僚対応に激怒する/ライター三上
*2 計算上でのみ存在できる理論的な理想状態での数値。実際での数値は「実効値」と呼びます。
*3 もちろんスイッチ機能のないダムハブとかリピーターハブというものもありますがスイッチングハブの値段は十分下がっている昨今、特に目的がある人以外買わない。
*4 イーサネットケーブルには標準的に8本の線が通っていて、2本を1組として使用するので、実質4本の線が通っている形です。よじりながら2本を1組にすることで、ノ外部からのノイズを受けないようにしたり、外部へのノイズの漏れ出しを軽減させるようになっています。
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コメント
私はパソコンもオーディオも自宅で楽しんでいます。
PLCには関心があったのですが、つい最近まで問題点には気づいていませんでした。ハタと気づいたのは、ある有名メーカーがPLCの原理による家庭内音楽システムの新発売発表をしたのを知ったときです。
この製品は、電源コンセントに挿すスピーカーと音楽を送り出す本体の組で使います。使い方次第では、家庭内2箇所で違う音楽を2種類まで同時に聴けるというのです。
さて私の問題意識は、音楽信号の漏れ出し(隣家等への電力線経由)にあります。まさか増設スピーカーユニットを隣家のコンセントに差し込んでみると、お隣さんが何を聴いているかがわかってしまうことはないよね、でも・・・というものでした。
電力線の空中線輻射(アンテナ作用)の重要性は国立天文台の電波天文学者の方が観測妨害を心配している件をあるHPで知るまで気づきませんでした。
家庭内ではパソコンの出す雑音電波が中波ラジオ受信に影響するのは当たり前のこととして慣れっこになっていたからでしょう。
つぎに、気にしている問題は、PLCの信号が交流の基本波形に乗っかるということが、オーディオ機器へ悪影響を及ぼさないかという点です。オーディオの趣味人の仲間内では、電源の理想は外部の影響を受けにくい電池駆動(直流)が一番。つぎに、波形のきれいな交流電源を現実問題として受け入れるという意見を持つ方が存在します。
自分の音楽鑑賞時にパソコンを使わないなど、対策がとれる部分を越えて、隣家からのPLC信号がのった電源波形が我が家にくるようになるとしたら、どうすべきなのでしょう。
現在でも高価なフィルタ機能つきオーディオ用電灯線電源装置はあるようですが、音楽を聞き分ける高度な耳の持ち主が対象で普及はしておりません。家庭用レベルの音響映像機器に、PLCの信号がどの程度影響するのか、評価研究している方がメーカーの技術者にはいらっしゃるのかもしれませんが、我々一般人には情報が届きません。心配するほどのことがなければよいのですが。
投稿: 石田 | 2007.03.05 11:50
石田さんこんにちわ
PLCの問題点と言うか、「もうちょっと話を詳しく聞かせてもらえませんか?」という素朴な疑問を感じていらっしゃることを心強く思います。
関西の放送局で年末に放送予定だったPLCのノイズ問題は、地元の巨大企業松下の横槍で、未来の明るい技術とそれに(無粋に)文句を言うアマチュア無線家という構図に作り変えられて放送されました。実際に収録されたPLCノイズの部分など微塵も流れなかったそうです。
企業圧力は恐ろしいとしか。
さて、件のパイオニアでしたか、2chコンテンツを送り出せる親機と子機による家庭内有線放送装置ですね(笑)
現状のPLC関係を眺めている範囲では、親子関係の暗号化登録を実施するものが大半ですので、親子関係が結ばれていない(暗号コードが一致していない)子機では再生されないと思われます。
親子関係が結ばれている子機を隣家に持ち込んだ場合、もしPLC推進側の主張どおり積算電力系を突破できないのであれば音は出ませんが、もし通信が成立するほどの強さで届いてしまっていれば、当然音が出ると思います。
一応設置の決まりとしては、家庭内用の製品なので野外を経由させるとか、家屋をまたいでの使用は禁止です。なので実験と言えども本来そのような設置は違反行為なのでなかなか実験結果を公表できないという現実もあります。
ピュアオーディオという面からも心配ですよね。
なんといっても世間はCDの音、果ては不可逆圧縮のMP3全盛ですから、世間の人の関心は低いのかもしれません。
メーカーの開発の人間にはやはりアマチュア無線家とかオーディオが好きな人は多数居ます。しかし、いかんせんサラリーマンの悲哀といいましょうか、会社の決定には従うしかないのが現状だそうです。
現在市販されているパナソニックとそのOEMのHD-PLCには、アマチュアバンドとラジオNIKKEIの周波数部分だけ利用しないような処置がなされています。でもあくまでもメーカーの判断でそのような「ノッチ」が入っているだけで、いつそれを取りやめるのかわかったものではありません。そして「口うるさい連中」の周波数だけ処置して黙らせようとしたようにしか見えないのです。
そのほかの周波数には(所詮趣味に過ぎないアマチュア無線なんかより遙かに重要な)航空無線、海上(船舶)無線、国防関係の無線など安全保安そして衛星や海底ケーブルに支障が出た際の最後の拠り所としての長い歴史のある短波の周波数をノイズまみれにしてしまうのがこの高速PLCです。
検討会議で出された根拠となる理論がそもそもの間違いであることを頑として認めないのですから、話し合いにもまったくなっていないという恐ろしさがあります。
私個人としては、「実用になるのならば便利だ」と思っています。そして、「本当に影響が出ないのであれば悪いものではない」とも思っています。
もちろんそんなに華々しく宣伝をするほどハイスペックの代物でもない(苦笑)のですが、まあ宣伝どおりなら日常生活でのネット利用には便利ですから。(でもどっちにしろ何らかの方法でブロードバンド回線を引いてこなければ意味がありませんけど。)
でも宣伝するほどすごいものでもなければ設置状況で速度なんか大きく変化する。そして近隣にいろいろなノイズをまき散らすわけですから、「PLCなんかいらない」と今のところ主張しています。
投稿: PAKU | 2007.03.05 14:22
石田です。私のコメントにレスポンスしていただきありがとうございます。
パイオニア製品については、私も漠然と音楽信号の暗号化などの対策がとられているのだろうと思っていました。実際に分電盤などでのPCL信号減衰が実用上十分ならば、私の心配の一つは解決します。
私もhttp://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/051226_6_bt3.pdfの文書を読もうとしたのですが、電気電子工学の知識が必要とされ、研究会側の応答内容の妥当性の判断について、一般の消費者は手も足も出せない思われます。
この文書中質問者側のメンバーで私が注目したのは、行徳高校のクラブ活動です。10年間続けてきたVHF帯の電波観測で地震の前兆をつかむという研究の継続がPLCで不可能になることを懸念し、拙速の認可を中止してほしいという趣旨です。
もしも産業界優先の姿勢で製品化されたPLCが各家庭などに普及し、電波環境が汚染されたとしたら、この高校生たちが自らの意欲で学び・観測しながら感じ取っているはずと思われる、科学技術の進歩により、自分たちのテーマも含め、科学研究が新しい手段を持ち、精密さと信頼性を増していくという、未来への夢と希望を打ち砕かれてしまわないでしょうか。最悪の事態がおきないことを祈るばかりです。
オーディオの電源汚染については、この文書が無線関係のものなので私の心配は解消されません。CD再生で始まった音楽再生のデジタル化は、オーディオメーカーに技術の進歩を促してきました。今では薄型でDVD-ビデオ、DVD-オーディオ、SACD、CD-RW、パソコンで使われる形式の音声・映像など何でもござれのユニバーサルプレーヤと呼ばれる製品が驚くほど安価に供給されています。
小さな箱の中に、電源・アナログ・デジタルの回路を干渉が少なくなるように配置する設計技術と採用する半導体デバイスの進歩が支えてきた成果と考えます。(各社の製品カタログを読むと、そのように思わされます。)音質・画質面では、不連続な値で記録されたデジタルソースをいかに滑らかな波形のアナログ信号に復元するかが問われてきました。スピーカーまでデジタル信号のまま伝えソースデータの劣化を抑えていくという技術の方向もあるようですが、これ以上はPLCとのずれが大きくなるので控えます。
どなたか、高校生の学ぶ物理(電気・電子)の内容をあまり超えない範囲で、電源トランスにPLCで問題になる高周波信号が入った場合、予想される問題点についてやさしく教えていただける方はいらっしゃいませんか。
電界強度の技術評価は想定した条件(モデル)で計算するしかないことは理解しているつもりです。でも10数年前でしたか、携帯電話がデジタル化されていくとき「電磁波」問題が社会をにぎわせたことがありました。頭につけて携帯電話を頻繁に使うと、脳腫瘍になる危険性が高まると一部メディアで報道されたのでしたね。
電力中央研究所はマウスに電波を当てる実験をして安全であると発表したようですが、マウスの頭と人間の頭はアンテナとしてみたときの実効的長さが違う(マウスの頭は小さいので短いアンテナに相当)点について、どのように人間への影響を換算したのかは、日刊新聞の記事では触れられていませんでした。
でも基地局アンテナの高さが低すぎると、地上の電波がある程度強まります。テレビの番組で紹介されていましたが、地形の起伏の検討が甘かったために、ある交差点(その先には基地局が見える)の横断歩道をCDをかけながら渡ると、途中でCD再生が中断してしまう地点が生じてしまうこともあるのです。
マンションや一般のビルの屋上に基地局アンテナが立ってるところもよくあります。基地局アンテナに近い高さの階で入居や就労する場合は電界強度を測ってからでないと、安心できない場合も考えられます。
また電磁波のうち、電界はシールドしやすいことは高校物理でも学びますが、磁界のシールドは難しいらしいのです。核磁気共鳴装置は10^7Hz 程度(ラジオ波)の高周波強磁界を化学物質に当てて、その磁気エネルギーの吸収をグラフ化して物質の種類やある原子がどの程度近くのほかの原子と離れているかを調べる分析装置でした(私が学生だった30年前の話)。
無線通信では電磁波の電気エネルギーのアンテナへの吸収が主なテーマですが、電波を詳しくは電磁波という以上、物質は電波の磁気エネルギーの吸収・放出も行います。
核磁気共鳴が、体内に豊富にある水の水素原子についての分析に応用され、結果が3次元画像にまで変換されて医療現場で日常的になりつつあるのが画像診断の一つであるMRIです。このように高周波の磁界は(その利用周波数範囲にもよるでしょうが)生物体に大きな影響を及ぼすことはないようです。
しかし、交流送電線特に高圧線から放射される50/60Hzの低周波磁界が生物体に与える影響の研究は少ないようです。ハトや渡り鳥の中には地磁気を感じて飛行経路を選ぶものがいます。地磁気は静磁場ですが、低周波磁界が自然の生物や人体に全くの無影響という保障はありません。
遠回りをしてしまいましたが、PLCに関係していえば、共同溝で送電線を地中化すれば空中の電界強度が減少し無線通信等への影響が減るとしても、地上付近の低周波磁界強度はかえって強まる可能性があり、この安全性への評価は不十分にしか検討されていないのではという問題点をあげておきます。
私の職業は理科教員ですが(専門は化学)電気分野は勉強が浅いという自覚があります。
新技術の利便性だけに目を奪われず、問題点をいかに誠実に克服していくのか、国や開発者側の姿勢にも関心を持ちたいと思っております。
投稿: 石田 | 2007.03.06 07:34